SSブログ

海外での失敗談(その1) [旅の想い出]

長い間海外の担当をしていた。若い頃の出張中の失敗談や面白話をまとめてみました。


         (昔はもっと小さな飛行機だった)

①バングラデッシュ:ダッカの電力開発省で商談中、下痢気味で我慢が出来ず、部屋を飛び出しトイレにかけ込んだらトイレットペーパーが無い(汗)。古ぼけた手付きのアルミの壺に水が入れてあり現地の人と同じように水で尻を洗う破目に。トイレを出た後何度も石鹸で左手を洗った事を覚えている。生まれて初めての「水・洗・トイレ」体験。1970年代ウォシュレットの無い時代の事である。ウォシュレットの開発者はきっと東南アジアを旅し、私と同じ様な経験をした人ではなかろうか?

②バングラデッシュ:ダッカ空港の税関検査はコネでフリーパス。ホテルにチェックインしてから、突然スーツケースのキー番号(4桁)を忘れ、考えられる全ての番号をトライするが失敗。仕方なく日本へ国際電話、家内から「番号を変えた」という事実を知らされる。

③バングラデッシュ:チッタゴン空港着陸後、歩いてターミナルへ。初めて訪れた空港だったので、歩きながら写真を2~3枚。すると警察か軍隊だったか忘れたが突然逮捕、別室に連れて行かれ「フイルムを出せ」と強要される。まだ2~3枚しか撮っていないほぼ”未使用”に近いフイルム、巻き上げて渡すのもしゃくだったので、そのまま蓋を開けてフイルムを全て引っ張り出し(露光させて)て渡した。確か、飛行機の中で「これから着陸態勢に入るが、撮影は禁止…」とアナウンスが有った。当時軍事政権下のバングラデッシュ、空港は軍事施設であった。

④バングラデシュ:ダッカ空港からインドのニューデリー(?)へ移動時、大雨か強風だったか良く覚えてないが、着陸した時後輩と二人で「ダッカ空港とよく似た空港やなー」って顔を見合した。似てるのではなくそこはまさにダッカ空港であった。後輩が「そう言えば何かそれらしき事アナウンスしていた様な…?」と。天候が悪いので引き返しますと説明していたのだろうが、バングラデシュを脱出した事で気が緩んでいたのだろうか、飛行機が大きく180度旋回した事に気づかなかった。その後何時間も空港で時間をつぶした事を思い出す。

⑤インド:ニューデリーからマドラスへの飛行機での移動時、マドラスに着いたので隣のインド人に「マドラスですか?」と確認して、タラップを降りバスでターミナルビルへ。荷物を待っていたが出てこない。どんどん出てくる他人の荷物にぶら下がったタグは記憶は無いがマドラスの記号ではなかた。即、隣の人に聞いてみると「ここはマドラスではない!」と言う。「そんな馬鹿な…」と思うと同時に身体は自動的に今降りてきたばかりの飛行機に向かって猛ダッシュ。「ウ~ン・ウ~ン」とパトカーの様な(はっきり覚えていない)車が近づき「何処へ行く?」「マドラスへ!」「早く乗れ!」。飛行機までVIP待遇、タラップを上がり静かに元の席に着く。さっき「グッバイ」と言った隣人ににこりと微笑を浮かべ「マドラス?」と語りかけ、その後は寝たフリをしてマドラスに向かう。自分で勝手に直行便と思い込んでいたのが事の始まり。隣人は着陸時私の問いかけの「マドラス?」を「マドラス行き?」と解釈したのだろう。離陸時の私の言った「マドラス?」は確かに100%「マドラス行きですか?」であった。

⑥香港:トランジットで香港に到着、少し時間が有るのでDUTY-FREE-SHOPへでもと思い機外へ。到着ゲートナンバーをしっかりと頭に刻み、買い物をするわけでも無いがぶらぶらとDFSへ向かう。20~30分位時間をつぶし記憶したゲート前へ。ゲートは閉まっていたが、20センチほど開いていたので「少し遅かったかな…?」と思いながらゲートを開けてタラップを進んだ。しかしビックリ仰天、タラップの先には飛行機がいない。ヘルメットをかぶった作業員が床に腰掛けて休んでいた。「なぬっ?」「飛行機は?」「何で?」作業員は冷酷な表情で「ここは到着ゲート、出発ゲートは向こうだ」と私に告げた。「有難う」と礼を言ったと思うが、急いでタラップを逆戻り、案内板を確かめ間一髪でバンコク行きの飛行機に間に合った。座席に座ってから、冷や汗がタラ~り「そうや、到着ゲートと出発ゲートは変わることもあるんだヨ…」と自分で自分を励ます次第であった。

⑦オランダ:ここでもトランジットで出発ゲートへ。チケットのゲート番号を確かめ上司に「ここで待ちましょう」と告げ、ベンチで時間つぶし。なかなかゲートの案内が無い。「遅れているのかな?」と思いながら、空港内を行き交う人々をボーッと眺めていた時、上司の「おい!ゲートが変わっているぞ!」と言う言葉で案内板に眼を…。確かにゲートが変わっていた。もう少しで乗り遅れるところだった。上司は英語は出来ないが何故かこういう事には長嶋的勘が鋭かった。

⑧アメリカ・ニューヨーク:5番街のレストランでのディナーの時、トイレに行きたくなったのでウエイターに「ラバトリーは何処ですか?」と聞いたら頭をかしげるので「こいつ英語判らないのかな?」と思って「トイレットは何処ですか?」と聞いたがまだ頭をかしげている。「くそー」「手を洗いたいのですが?」と聞くとまた頭をかしげる。そのやり取りを聞いていた上司が横から「メンズルームは何処ですか?」と聞くとやっとそのウエイターは私が欲している事を理解してくれた。英会話の自身喪失の第一弾であった。

⑨アメリカ・ラスベガス:ラスベガスのホテルを予約しようとニューヨークのホテルから電話を掛けた。先方のリザベーションが「海の何とか…」「山の何とか…」とまったく意味が判らない、仕方が無いので上司に電話を変わってもらうと「山側(mountain view) or 海側(sea view)」と聞いている事を教えてもらった。私には mountain-sideとかsea-sideのほうが判りやすいのに…。しっかり恥をかいてしまった。外人に優しさを持ってくれアメリカ人よ!

⑩バングラディシュ:得意先の社長の自宅に招待された。中サイズのガラスのボールに透明のスープが食卓に。レモンのスライスが2~3枚プカプカと浮かび、久しぶりにシンプルで旨そうなスープが置かれている。いただこうと思ったら社長が「ノー」と静止する。「何で?」と聞くと「フィンガーボウルというもので油の付いた指を洗うもの」だとの説明があった。インドやパキスタンは手で直接食事をとるので、指が汚れて「洗うんだー」って気が付いた。後で判ったことですが、西洋料理がルーツの様だ。今では当たり前の事だが30年程前には私には考え付かないマナーであった。

⑪シンガポール:空港内でタバコを吸おうと思ったがマッチもライターも無し。仕方が無いのでタバコを吸っている人を見つけて「貴方はマッチを持っていますか?」とタバコをくわえてたずねて見ると直ぐにライターをポケットから取り出し火を付けてくれた。言葉というよりはボディーランゲージの範疇だったが、通じて良かった。しばらくすると白人が近づいてきて「Give me a fire」とのたまった。そうか、「火を頂戴って言うんだ!」と納得。日本語の「火を貸して」っておかしいよ!「火を頂戴」の方が実態にそっている。英会話では日本語は直訳すると駄目だと実感した。

⑫アメリカ・ラスベガス:空港でのチェックインの時、上司が「もっと早い飛行機無いのか?」と言うもんだからチェックインカウンターへ行って「もっと早い飛行機無いの?」と聞くと、航空会社の人何かべらべらと喋っていたがさっぱり意味が判らない。「もっと早い飛行機無いですか?」と繰り返すが言葉が通じない。そうこうしていると上司がやってきて「もっと早い飛行機無いですか?」と言うと直ぐに「残念ですがありません」と答える。上司の会話を聞いた時、何故話が通じなかったのか直ぐに理解できた。私はearlier-frightとfirster-frightを間違えて「もっと速い飛行機無いですか?」と言っていた。コンコルドでも就航していたらえらい事になっていた。本当に言葉は難しいと実感し、英会話自信喪失の第二弾となってしまった。カウンターの人は俺のこと何と思っていただろう…?

…続く…




nice!(2)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

nice! 2

コメント 4

Jun

 Ryuさん、今晩は。Junです。
 海外での失敗談、面白く読ませていただきました。しかし、読む方は面白いかもしれませんが、Ryuさん達にとっては笑い事ではなかった場面の数々ですね。
 しかし、ほとんどがアジアの国々ですが、施設やシステムが整っていないところほどハプニングが起きがちです。でも、後になってみると懐かしい思い出にもなっているのかもですね。
 順調にいったことよりも、多少のハプニングや失敗があった方が振り返ってみるといろんな話題にもなるものでしょう。
 第2弾以降、楽しみにしています。
by Jun (2006-01-10 21:18) 

Ryu

Junさん今晩は!おっしゃるとおり、多少のハプニングがある方が想い出にはなりますが、でもその時はほんとうに笑い事では無かったです。まだまだ失敗談や面白話があります。こういう経験は30年経っても忘れません。「かわいい子には旅をさせろ」って諺ありますが全くそのとおりだと思います。第二弾をお楽しみに!
by Ryu (2006-01-10 22:03) 

kenta-ok

旅のトラブルは、後から振り返れば、いい思い出です。nice!
by kenta-ok (2007-04-29 11:20) 

OJJ

ryuさんAPAーKABAR 今日は!ひろたんさんのブログを見ていて通りかかったJJです。貴兄の余りのトラブル?(この程度はネコブルかも?)の面白さにネタの足しにとコメントをお送りする次第です。
 昨年、中国昆明から梅里雪山の見える峠へ行った時のツアーですが
1)グループの1人が上海でパスポート盗難、2)家内がスーツケース解放点検される(ペットボトルの茶多数)、3)機体不調のため長沙に不時着、
4)翌日b昆明まで3機に分散飛行、5)家内のスーツケース長沙に積み残し、5)私のスーツケース他人がピックアップ(即、取り返す)、
6)シャングリラで友人の靴底剥離(テープで応急処置)、7)高山病複数名(明永村)、馬の鞍ずれ・・・沢山あったけど今となっては楽しい思い出。
 ちなみにuburはジャワのクラゲです。
これからも楽しいお話を期待しています。
by OJJ (2007-09-23 17:28) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。